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2011 エレン・ジョンソン・サーリーフ講演を読む(2) [指導者]


 エレン・ジョンソン・サーリーフ女史の2回目です。
 
 彼女の師、というより同志ですかね、ワンガリ・マータイ女史の言葉を引用していますが、いわく、「特権を持つ人間は次世代のリーダーの範となるべし」。ここで言う特権とは、”priviledge”の訳で、普通は金や権力などの特権のことなんですが、ここでは教育や訓練を受けたことも含まれるようです。ちょっと意外な感覚でした。
 もっと言うと、教育を受けたという恩恵と、強い権力をもった特権、を併せて”priviledge”と言っている感じですね。 
 
 そんなわけで、ここでご自身が述べられているように、サーリ-フ女史は高度な教育を受けたうえに、リベリアの大統領という強大な権力をも併せ持った人間であるわけです。
 さぞやマータイさんのこの言葉は沁みることでありましょう。
 
 サーリーフ女史が何故高等教育を受けられたのか?についてはここでは語られておりませんね。是非調べてみたいものです。確かに流暢な英語で喋られています。
 そういえば、前回の 「エレン・ジョンソン・サーリーフ講演を読む(1)」を書いた時点あたりで、ノーベルレクチャーのビデオが見られるようになっていました。この映像を見る限り、全く完璧な英語でした(自分との比較では)。
 
 つまり彼女は、イギリスかアメリカで教育を受けた疑いが濃い、ということです。
 
 近年の日本のソーリダイジンという職業の人々の中には、海外大学や大学院(主にアメリカが多いようです)を卒業された経歴をお持ちの方が何人もおられるようですが、どなたもサーリーフ女史ほど流暢にはおしゃべりにはならないようです。 
 
 なぜ?
 
 言うまでもありませんが、命懸けで勉強しておられる方と、ファッションやトレンドで「お留学」されている方との差でありましょう。 
 ついでに申し上げると、レイマー・ゴヴォウェー女史も流暢に英語をしゃべられますね。羨ましい。
 
 ここではまたサーリーフ大統領の信念というか、心構えが聞かれて面白いと思いました。
 曰く、 
 「戦争と略奪によって破壊されかけた国家を建て直す、という極めて大きな責務を負うのと同時に、リベリアの人々に使えるという特別な任務を与えられた時に、私の人生は永遠に変わったのです。」 
 
 ここの 、「リベリアの人々に使えるという特別な任務」、原文では「privilege to serve the people of Liberia」となっていたのをこのように訳しました。つまりは、大統領というのは国民の下僕である、という考えでありましょうか。
  
 私などは、いわゆるこれが民主主義の原点ではないか、と思うわけなのであります。しかしシニカルに考えて、果たしてそれを声高に主張するサーリーフ女史が、ご自身はこの言葉をどこまで守って行けるのでしょうか?
 
 権力の腐敗は世の常でありますから、10年先の未来では何が起こっているのかは想像し難いわけでありまして・・・??? 
 
 ところで”priviledge”は、上のほうでは恩恵あるいは特権という意味で、そしてここでは任務・責務の意味で使われてます。よほどサーリーフ女史のお気に入りの言葉なんでしょうか。
 
 幼年にあっては恩恵として受け、壮年にあっては力として用い、後年にあっては責務として背負う。な~んて。
 
 
 続く 
 
 
========エレン・ジョンソン・サーリーフ講演(2)=======
 
ここで、アフリカ女性として初めてこの栄誉を得た故ワンガリ・マータイの思い出について述べたいと思います。彼女の功績は永遠に私たちを鼓舞し続けるでしょう。
2004年に授賞したマータイ教授はこう言いました。「教育や訓練やそして経験、ましてや権力を得ることのできる特権をもった人間は、次の世代のリーダーシップの範とならねばならない!」と。私たちは多分、この責任を果たせているのでしょう。
 
私はまた、数えきれないほど多くの女達も称えたいと思います。彼女達の努力や犠牲は決して知られることはありません。しかし、その一人ひとりの無言の戦いが私たちの世界を形作ることにつながっているのです。

レイマーやタワクルも思っていますが、この賞は多くの人々にこそ相応しいのであり、私たちはその切望を代弁しその権利を守る義務があるのです。私たちは彼らの影にすぎないのです。
この認識は大きな責任につながります。歴史は、今私たちがここで話したについてではなく、私たちが次に自国の人々の生活をどれほど良くするかによって、私たちを判定するのです。

タワクル、あなたは平和と女性の権利についての神秘的な活動家です。あなたの国では独裁的なルールが横行しています。しかし人々の声なき声を聞く方法をあなたは見出したのです。
 
レイマー、あなたは平和の作り手です。あなたはリベリアの女達を動員して自国に戻らせる勇気がありました。あなたは野蛮な市民紛争の「前線」を作り変えたのです―女達は白い服をまとい道で訴えました―この障壁を超える勇気をもった戦争指導者はいませんでした。

私のは長い旅でした―オスロへの生涯を掛けた旅です。それは、リベリア生まれで読み書きもできず、農業と商売をしていた私の両親とそして二人の祖母によって方向づけられたものでした。彼らは私にこう教えました、他者に尽くすことによって人生は真に讃えられるのだと。

私の旅は、私を高度な教育を通じて開かれた社会へと導いてくれた、多くの教官と指導者に支えられたものでした。そしてそれが、すぐれた教育を受けることは私たちにとっての正義である、という私の信念につながったのです。

私の人生は、数千人の人々が結集して私の収監から救ったり、あるいは、私を捕縛する側の人間の個人的な行動によって私を救ったりしたことで守られてきました。

私の人生は、戦争と略奪によって破壊されかけた国家を建て直すという極めて大きな責任とともに、リベリアの人々に使えるという特別な任務を与えられたときに、永遠に変わったのです。紛争の後の復興にはロードマップなどありませんでした。しかし私たちには、私たちの国を過去に戻すことはできないということが分かっていました。私たちは、平和を守ることこそが、最も大事な果たすべき責任であるということを知ったのです。
  

Accepting the award in December 2004, Professor Maathai said, “Those of us who have been privileged to receive education, skills, and experiences and even power must be role models for the next generation of leadership!” May we all resolve to fulfill that duty!
I also honor the memory of countless women whose efforts and sacrifice will never be recognized, and  who, in their private and silent struggles, helped to shape our world.
As Leymah and Tawakkul know, this award belongs to the people whose aspirations we have the privilege to represent, and whose rights we have the obligation to defend. We are but their reflection.
 
With such a distinction comes great responsibility. History will judge us not by what we say in this moment in time, but by what we do next to lift the lives of our countrymen and women. It will judge us by the legacy we leave behind for generations to come.
Tawakkul, you are an inspirational leader and activist for peace and women’s rights. In your country, autocratic rule prevails; but where they had no voice, you found a way to be heard.
Leymah, you are a peacemaker. You had the courage to mobilize the women of Liberia to take back their country. You redefined the “front line” of a brutal civil conflict – women dressed in white, demonstrating in the streets – a barrier no warlord was brave enough to cross.
Mine has been a long journey, a lifetime journey to Oslo. It was shaped by the values of my parents and by my two grandmothers – indigenous Liberians, farmers and market traders – neither of whom could read or write. They taught me that only through service(serving others) is one’s life truly blessed. f our time.
 
My life was safeguarded when thousands mobilized around the world to free me from imprisonment, and my life was spared by individual acts of compassion by some of my captors.
My life was forever transformed when I was given the privilege to serve the people of Liberia – taking on the awesome responsibility of rebuilding a nation nearly destroyed by war and plunder. There was no roadmap for post-conflict transformation. But we knew that we could not let our country slip back into the past. We understood that our greatest responsibility was to keep the peace.

My journey was supported by my many teachers and mentors who guided me to a world opened up by the enlightenment of higher education, and which led to my conviction that access to quality education is the social justice issue o

 

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